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Serverlessconf Tokyo 2017 に登壇しました。そのほか雑感

みなさん、こんにちは。GS2 CEO の丹羽です。

昨日から始まった Serverlessconf Tokyo 2017 ですが、無事終わりましたね。
参加者の皆さん、スタッフの皆さん、スピーカーの皆さん。本当にお疲れ様でした。

オープニングで昨年の約300人の参加に対して、今年は450人以上と約1.5倍に参加者が増えたと聞きました。
一方で、今年は昨年の1トラックだったのに対して、2トラックになったことで一体感が薄れてしまったのか
Twitterハッシュタグがトレンド入りした昨年に対して、今年はそこまでTwitter上での盛り上がりが無かったように感じたのが少し残念でした。
参加者の傾向としては、まだまだ私服の人が多く、身軽なベンチャー系のエンジニアの人が興味を持っている段階というのは変わってないようです。
私の登壇時にゲーム系の開発者がどのくらいいるのか。というの質問を昨年に引き続き、今年もしたのですが数パーセント程度という状態も変わってないようです。
昨年は直前にはチケットが売り切れていた記憶がありますので、もしかすると潜在的にはそれほど1年で変化がでていない。という可能性もありそうです。
Serverless の普及という文脈で考えたとき、この一年でサーバレスに興味をもつ人たちのユーザ層を増やせていない。という状態なのだろうな。と課題を感じました。

足元の環境の考察は置いておいて、セッションの内容は昨年と比べて今年はどう変わったのだろう。と振り返ってみました。

yoshidashingo.hatenablog.com
Serverlessconf Tokyo を主催している吉田さんのブログに昨年のセッションのまとめがあります。

昨年は概念的な話や方法論的な話が多かったのに対して、今年は具体的な実装の話が増えたように感じます。
昨年ホットだったワードは《サーバレスとは?》《ピタゴラ装置》《ステートレス》だったのに対して、
今年は《コールドスタート》《トランザクション》《冪当性》と、より具体的なワードがいろいろなセッションで見ることが多くなったように感じました。
なので、先駆者達はこの1年で確実に技術スタックを積み上げてきている。と感じています。

そして、興味深いのは昨年のランチセッションで きはるさんが Firebase のセッションをしたときに
Twitter上では「FirebaseってServerlessなの?ServerlessってLambdaのことじゃないの?」とざわつきましたが、
今年は Firebase をはじめとした マネージドサービスもサーバレスだという文脈で皆さんとらえていたように感じました。

それに対して、原さんがSaaSはサーバレスって言えるの?と一石投じるセッションをしていたり、興味深い流れも感じました。

実は、私もSaaSはサーバレスなのか?という事に対しては、ちょっと思うところがあります。
私はフルマネージドサービスはサーバレスだと思いますが、マネージドサービスはサーバレスではない。と思っているためです。
また、別の言い方をすると、スケールに限界があるモノはサーバレスではない。と思っています。
つまり、使用方法さえ間違えなければ《勝手に》《無限に》スケールするフルマネージドサービスこそがサーバレス。と言えるのではないか。と思っています。

なので、インスタンスタイプを明示してキャパシティ管理が必要なRDSやElastiCacheはサーバレスではないし、
リード/ライトキャパシティユニットを予約する必要のあるDynamoDBもあやしい。と思っています。ただ、明確な上限が無いという面ではRDSなどと比べて明らかな違いがあります。
(なので、キャパシティのオートスケールが実装されたので、ギリギリセーフかも?)

そうなると、サービスクラスによってIOレートを予約する必要のあるGS2はサーバレスではないSaaS。ということになってしまうのでしょう。
この裏には、DynamoDBのキャパシティ予約だったり、Lambdaの同時実行数の制限緩和などいろいろな事情があるので仕方がない部分もあるのですが、
今後の課題としてサービスクラスという考え方自体を廃止していけるのであれば廃止していきたいな。と改めて考えさせられました。

さて、ながながと感想を書きましたが、以下が私の登壇時に使用したスライドです。

それでは、また。

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